不耕起栽培を実践する農家の方、これから始める農家の方、農家ではないけれど実践してみたい方を応援しています

種籾はどこで購入したらよいですか?

種籾を購入する場合、無消毒(農薬を使った消毒をしていない種籾)のものなのか、消毒したものなのかを確認したうえで、JA、各地の種子センター、ホームセンターなどで購入することが出来ます。また、知り合いの農家などに頼んで分けてもらう方法もあります。値段はそれぞれですが、きちんとした種籾を販売しているところであれば、禾(のぎ)取りがおわっている充実した種籾を販売してくれます。
今は、「種籾の購入」「古代米種籾」などのキーワードで検索すれば、ネット上で購入することも出来ますし、電話をかけて、消毒や禾(のぎ)取り済みかどうかを聞くことも出来ます。1kgから販売してくれるところ、4kg単位で販売しているところなどいろいろですから、よく情報を集めましょう。
「種は北から買え」といわれます。自分が栽培する地域より北または標高が高いところで育った種籾を購入すると良いという意味です。南西から購入したり譲ってもらった場合は、自分が栽培する土地にその品種がなじむまで数年かかることがあります。
ただし、品種によっては、北で育つ品種を南で栽培すると、早稲(わせ)や極早稲(ごくわせ)になりますので、品種特性を良く調べてください。
良い種籾を販売していて、かつ、前年の購入者に対して、次の年の種についての情報を出してくれるところがあります。富山県のとなみ野農業協同組合稲種センター(TEL0763−82−0117)があります。

自分で種籾を採取することは出来ますか?

自分が育てたイネから種籾を取ることは可能です。ただし、そのイネに栽培中に病気が発生しなかったこと、肥料不足でないこと(有効分げつが十分に取れていること)が、良い種籾を取るために必要な条件になります。
さらに、田んぼがいくつかある場合には、どの田んぼのイネの育ちが良いかを収獲前に良く見極め、出来れば、よく育った田んぼの風上の畦に近いところのイネから種籾にするイネの稲刈りをして、食用にするものとは別に乾燥・保存することをお勧めします。
肥料不足や草に負けて貧弱なイネ・害虫の被害にあって分げつが取れなかった大きく育たなかったイネに稔った籾を、翌年の種籾にすることは、あまりお勧めできません。
市販の種籾は、当然ながら、農薬や化学肥料を使って育てたイネから採取した種籾です。種籾も農薬や化学肥料を使わないものを得たいと思うなら、自分でしっかり、良いイネを育て、良い穂を育てましょう。
また、無農薬で長年良いお米を栽培している方から、譲っていただくことが出来れば、農薬や化学肥料を使わずに育ったイネの種籾を入手することが可能です。

種籾はいつ頃、用意したらよいですか?

市販のものを購入する場合、出来れば栽培する前年の11月ごろには、予約しましょう。春に田んぼの準備が始まった頃にあわてても、売り切れている場合があります。
また、地元のJAなどに予約する場合は、事前に自分が欲しい時期までに届けてもらえるかどうかを確認してください。その地域の普通の種まきの時期ぎりぎりにならないと届かないというハプニングが起こることがあるあるからです。
普通の慣行栽培の苗つくりは20日ほどで稚苗をそだてますが、不耕起栽培用の成苗を育てるためには60〜70日必要です。発芽までに3〜7日、その前の催芽に2〜4日、浸種に10〜20日(品種によります)、塩水選と温湯消毒に1〜3日(種籾の量や田んぼの面積にもよります)と、種籾の準備をする期限を逆算して、余裕を持って予約注文し、いつまでに届けて欲しいかの希望も連絡したほうが良いと思います。
自分で栽培した稲から種籾を選ぶ場合は、秋に稲穂がたれて収獲が近くなった時期に、との田んぼのどのあたりから取るかを選択します。
種籾は余裕を持って、あまるぐらいに準備しましょう。

良い種籾とはどんな種籾ですか?

立派なイネに稔った大粒の籾を種籾にする場合、これは良い種籾だといえます。
大粒で籾殻に傷、割れ、変色がないものを、外見で良い種籾だと識別できます。
実際に種まきをする前に、塩水選で、良い種籾を選別することが出来ます。つまり、1.15〜1.17という比重の塩水の中で沈むような、重たくて粒が充実していて胚乳がしっかり詰まった籾は、良い種籾だといえます。塩水選については、『不耕起でよみがえる』岩澤信夫著(創森社)の第7章 秋〜春の主な作業 塩水選を参考にしてください。ただし、自分で採取した籾を種籾にする場合には、育ったイネが貧弱だった場合、種籾も1.15の比重では沈まないことがあります。その場合は、塩水を薄めて、比重1.12〜1.10、場合によっては塩水ではなく水だけで選別することになります。
比重の重い種籾を選ぶことで、病気が出るリスクも少なくなります。
塩水選では比重ごとに種籾を取り分け、播種のときの種籾をの粒をそろえることが大事になります。

種籾は、どのくらい必要ですか?

あなたはどのくらいの面積で、稲を作りますか?不耕起栽培の成苗を育てるためには、育苗箱1箱に乾いた種籾で70g、浸種や催芽のあとに、表面だけ乾かした種籾なら80g程度必要です。
1反の田に必要な育苗箱の数は、2、3本植え、坪60株(株間、畝間が約18〜25cm)として、田植機で植えるなら26〜28枚、手植えなら20〜25枚と考えて計算してみてください。不耕起栽培をする田んぼが何畝か何町歩か・・・、計算してみてください。
ここで計算して出てきた種籾の量は、予備を含まない最低必要量です。
苗を育てている途中で、病気が出て、播きなおしをしなければならなくなった場合、スズメやネズミ、カモ、シカなどに苗を荒らされて、追加で種まきをして苗を育てなかった場合など、最悪の事態を想定して、予備の種は、田植えが終わるまで取っておく必要があります。
田植えをした後に、シカやアメリカザリガニなどの食害にあって苗が被害にあって、全滅する場合もあり、あわてて、緊急措置を取って成苗でなくても苗を育てて、後から田植えのしなおしをしなければならない場合もあるからです。その場合は、通常の不耕起栽培の苗育てと同じようには行きません。
とにかく、できるならば、塩水選で選別した種籾は必要な量の2倍以上は、確保して置いてください。
もちろん、自分がイネつくり行う地域で起こりうる病虫害に対する予防措置は、苗を育てた上をする前から、十分な準備を行ってください。

温湯消毒をしたほうが良いですか?

温湯消毒は、農薬を使うのと違ってお金もほとんどかかりませんし、専用の温湯消毒器がなくてもできますので、行ったほうが良いです。出来ない場合は、エンザーで病気の予防をします。